SNSをやめたいのにやめられない人へ。アカウントを消さずに距離を置く方法

SNSをやめたいのにやめられないなら、アカウントは残したまま、ふだんはアプリで止めておき、使うときだけ開く方法があります。つい開いてしまうきっかけと、止めておき方、見るものの減らし方を、仕事でSNSを使う私のやり方とあわせて紹介します。

日の差す机のイラスト。ノートパソコンとマグカップ、本と眼鏡が置かれている

SNS を見るたびに、ほかの人のキラキラした投稿と自分を比べて疲れてしまう。気づけばスクロールが止まらず、何時間も過ぎている。やめたいのに、アプリを消しても、いつの間にか入れ直している。

そんなときは、アカウントは残したまま、ふだんは止めておいて、用事があるときだけ開くという方法があります。私もいまは仕事で SNS を使いながら、この形で距離を置いています。

SNSをやめられないのはなぜ?つい開いてしまう3つのきっかけ

次の3つがよくあります。

  • 反応が気になる
    自分の投稿にどれだけ反応があったかを確かめたくなる。私も X で発信をしているので、よくあります。
  • 疲れて、休憩のつもりで開く
    少し休むつもりが、何分も見続けてしまう。私も仕事で疲れたときに休憩のつもりで開き、情報を浴びて、かえって疲れが取れないことが何度もありました。
  • 用事のついでに見てしまう
    連絡や仕事で開いたついでに、関係のない投稿までスクロールしてしまう。私も仕事で SNS を運用していると、その流れで見てしまうことがあります。

SNSは完全にやめなくていい?使う時間を減らした研究で分かったこと

SNS を使う時間を減らしたり、1週間休んだりすると、気分の落ち込みや孤独感が軽くなったという研究があります。

ペンシルベニア大学の研究では、大学生143人のうち半分に、Facebook・Snapchat・Instagram の利用を1つにつき1日10分までに減らしてもらいました。3週間後、減らしたグループは、気分の落ち込みと孤独感の尺度が下がっていました(Hunt ほか, 2018, ペンシルベニア大学の発表)。研究者は、SNS をやめることまでは勧めていません。

SNSを1つにつき1日10分までに3週間減らした研究の図。大学生143人で、気分の落ち込みと孤独感の尺度が下がった

1週間まったく使わなかった人と、ふだんどおり使った人を比べた研究もあります。平均29.6歳の154人を対象にしたイギリスの研究では、Facebook・Twitter・Instagram・TikTok を1週間使わなかったグループのほうが、ウェルビーイング・抑うつ・不安の尺度でよい結果でした(Lambert ほか, 2022, Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking)。

SNSを1週間まったく使わなかった研究の図。154人で、ウェルビーイング・抑うつ・不安の尺度でよい結果だった

どちらも短い期間の研究で、対象も限られています。それでも、SNS をずっとやめなくても、気分に変化があったことは分かります。

アプリやアカウントを消しても、流行を知りたい気持ちや、仕事で使う用事は残ります。私も、アプリを消したことも、ログアウトしたことも、アカウントを消したこともありますが、結局アカウントを作り直したり、アプリを入れ直したりしていました。消しても戻ってしまうなら、消さずに止めておくほうが現実的です。

SNSはふだん止めておき、開くときは使う時間を決める

おすすめしたいのは、SNS をふだんはブロック用のアプリで止めておく方法です。投稿や調べものなど、用事があるときだけ、「何分使うか」を決めて解除します。私もこの形で続けていて、1回に解除するのは5分くらいが多いです。

おすすめのSNSとの付き合い方の図。1. ふだんはアプリで止めておく、2. 用事があるときだけ開く、3.「何分使うか」を決めて解除、4. 決めた時間だけ使う

解除するときは、下の写真のように何分使うかを選びます。

スマホに表示された、解除する時間を選ぶ画面の写真。「何分解除しますか?」の下に3分から7分までが並び、5分が選ばれている

こうしておくと、反応が気になったときや疲れたときに、なんとなく開くことができません。開くには、自分で時間を決めて解除するひと手間が必要になります。アプリそのものも、ふだん見る画面からは見えない場所に移しておくと、思い出す回数が減ります(置き場所の工夫はスクリーンタイムを減らす方法にまとめています)。

仕事で使う人は、時間帯で止め方を分ける

用事があるときは自分で解除できるので、止めておく時間は1日中でかまいません。仕事で SNS を使う人は、仕事で使う日中は解除しやすく、夜は解除しにくくする、というように時間帯で止め方の強さを分けておく方法もあります。下の写真は、私が Isshin で設定しているルールです。

ブロック用のアプリのルール画面の写真。「日中のSNS」毎日8:00〜22:00、「SNSをブロック」毎日22:00〜翌8:00、「Email」毎日22:00〜翌8:00 の3つのルールが並んでいる

日中(8:00〜22:00)は、5秒待って短いミッションをこなせば開ける、弱めの止め方にしています。夜(22:00〜翌8:00)は、ブロック画面で30秒以上待たないと SNS を開けないようにしています。夜の過ごし方は寝る前のスマホをやめる3つの方法にまとめています。

疲れたときは、スマホから手を離す

疲れたときに SNS を開けないと、休憩に何をすればいいか迷うかもしれません。スマホから手を離して、まったく関係のないことをしてみてください。私は、散歩をしたり、コーヒーを入れてくつろいだり、ストレッチをしたりしています。

見るものと通知を減らす

開いたときに目に入るものも減らしておきます。

  • フォローを最低限にする
    見る理由がはっきりしているアカウントだけを残します。私は仕事用のアカウントでは、趣味の投稿はフォローしていません。
  • おすすめのタブを見ない
    フォローしていない投稿が次々に流れてくる場所です。X なら、おすすめのタブはなるべく開かないようにします。
  • 通知と赤いバッジを切る
    反応が気になって開いてしまう人は、通知や赤いバッジを消すと、開くきっかけが1つ減ります。
  • 反応はまとめて確認する
    確認する時間を決めておき、それ以外は見ないようにします。私は仕事の始業時にまとめて確認し、ほかは分析に必要な時間だけ見るようにしています。

こうした工夫は、守れない日もあります。前の節のように、アプリで止めておく方法と組み合わせておくと安心です。私もそうしています。

SNSと距離を置くと何が変わる?見なくて困らない?

人と比べて疲れてしまう人は、見る時間が減ると、比べる機会そのものが減ります。私の場合も、人と比べることは間違いなく減り、気持ちが少し安定しました。禅の「主人公」という言葉のように、一人ひとりが自分の人生の主人公なので、周りと比べてもいいことはない、と私は考えています。

仕事の合間に SNS を開いて、そのまま見続けてしまう人は、仕事に使える時間が増えます。私も仕事に集中できる時間が増え、働くはずだった時間を SNS に使ってしまう罪悪感も減りました。スマホ全体のスクリーンタイムも、以前は8時間を超えていましたが、いまは3〜4時間以下の日が多くなりました。SNS のほか、動画やブラウザも止めています。調べものなど必要な時間を除くと、ダラダラ見る時間はほとんどなくなりました。

見ないと、返信が遅れたり、知らない話題についていけなかったりするのでは、と心配になるかもしれません。私の場合、友人や知り合いとの連絡も含めて、困ったことは基本的にありません。知らない話を聞いたら、そのとき調べれば済みます。1か月や数か月離れても、必要になったときに調べ直せば追いつける、と私は思っています。「常に情報を入れ続けなければいけない」というのは、幻想だと感じています。

まとめ

SNS は、全部やめなくても大丈夫です。ふだんは止めておいて、開くときに何分使うかを決めるだけで、なんとなく見る時間は減らせます。見るものを減らし、通知を切っておくと、開くきっかけも、開いたときに目に入るものも減ります。

まずは、アプリブロッカーなど外部のアプリで、使う時間以外は SNS を止めておく形を試してみるのがよいでしょう。

気分の落ち込みが続くときは、医療機関や相談窓口に相談してください。

Yuichiro Hondaのプロフィール画像

Written by

Yuichiro Honda

香川県在住のアプリ開発者・デザイナー。スマホとの付き合い方を見直す集中アプリ「Isshin」を開発しています。自分自身がスマホに時間を奪われてきた経験から、無理なく集中を取り戻すためのヒントを発信。X(@yuichirohonda_)のフォロワー1万人超。

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